データの扱いと注意
数値の意味を取り違えると誤った判断につながるため、集計の前提と限界をまとめておきます。
数値の作り方
住宅侵入
警視庁の分類のうち「侵入窃盗」の内訳である空き巣・忍込み・居空きの3手口を合計しています。事務所荒し・出店荒し・学校荒しなど、住宅以外を狙ったものは含めていません。
1,000世帯あたりの件数
2021〜2025年の5年間の合計件数を、2020年国勢調査の世帯数で割って1,000倍した値です。集計期間の合計であり、1年あたりではありません。
土地の値段
公示地価(国土交通省が毎年1月1日時点で調べている標準地の価格)を使っています。家賃ではありません。町丁目単位の家賃を公表しているデータは存在しないため、住まいの値段の水準を町ごとに比べる代わりの数字として置いています。用途地域が住宅系の標準地だけを使い、その町丁目に標準地が無い場合は1,200m以内の最寄りの標準地を参考値として距離つきで示します。1,200m以内に無ければ表示しません。
地震の危険度
東京都が5,192町丁目を相対評価したランクです。ランク1が最も低く5が最も高いという順位であって、絶対的な安全度ではありません。ランク1でも地震が起きないという意味ではなく、大きな揺れが来れば被害は出ます。
駅までの距離
町丁目の中心点(国勢調査の代表点)から最寄り駅までの直線距離です。実際に歩く距離はこれより長く、坂・踏切・川・線路によってさらに変わります。徒歩分数は不動産広告と同じ80m=1分で換算した目安です。
通信・電波の設備
区市町村が公表している公衆無線LANのアクセスポイントと防災行政無線の屋外スピーカーの設置場所一覧を、東京都オープンデータカタログサイトから集めて町丁目ごとに数えています。距離は町丁目の中心点からの直線距離で、最寄りは市区町村をまたいで探しています(自治体は自分の管内ぶんしか公表しないため、区境では隣の自治体の設備が最寄りになることがあります)。実際につながるか、放送が聞こえるかを判定したものではありません。公表していない自治体は「—」で、0か所という意味ではありません。
比率を出さない町丁目
世帯数200未満(比率)、人口500人未満(人口あたりの指標)の町丁目は、1件の有無で数値が大きく振れるため比率を表示していません。
この数値で分からないこと
認知件数は発生件数ではありません。警察が事件として認知した件数であり、被害届が出されなかったものは含まれません。地域による届け出のしやすさの差も反映されます。
発生地ベースです。その町丁目で起きた事件の件数であり、住民が被害に遭った件数ではありません。繁華街や乗換駅のある町丁目では、住民以外が被害者となる件数が多く含まれます。
年次がずれています。分母の人口・世帯数は2020年国勢調査の値です。その後に大規模開発があった町丁目では実態とずれます。どれくらいずれているかは、各町丁目のページの「人が増えているか、減っているか」で確かめられます(東京都が毎年1月1日現在で公表している住民基本台帳の世帯数・人口を2004年から並べてあります)。率の分母を毎年の値に変えていないのは、過去に公表した率が毎年書き換わってしまうためです。
事業所の所在地は活動の場所ではありません。建設業者・民泊の件数は登録・届出上の所在地を集計したものです。本店登記だけがそこにあるケース、届出後に営業していないケースが含まれます。
携帯電話の電波の入り具合は分かりません。総務省の無線局等情報検索で公表される設置場所は、携帯各社の基地局が包括免許のため「関東総合通信局管内」まで、個別免許の基地局でも「東京都」まで、放送局でも「東京都◯◯区」までで、免許人も多くが「その他の免許人等」に伏せられています。町丁目に落とせる公的データが存在しないため、当サイトは携帯の電波について何も出していません。ドコモ・au・ソフトバンク・楽天それぞれのエリアは各社のサービスエリアマップでご確認ください。
建設業者の数は騒音の目安にはなりません。建設会社の事務所は事務所であって、そこで工事をするわけではありません。実際に音や振動が出るのは工事をしている現場のほうで、それは事業者の住所とは別の場所です。この数字は街の産業構成を見るための参考値です。
まだ扱えていないもの
工事中の現場。住環境に実際に影響するのは工事をしている現場ですが、これを東京都全域で町丁目単位に集めるデータ源が見つかっていません。都道の道路工事は東京都道路整備保全公社が場所と期間つきで公開していますが都道のみで区道は含まず、掲載も直近1〜2か月ぶんです。中高層建築物の「建築計画のお知らせ」は区によって扱いが違い、一覧を公表している区は少なく、公表していてもPDFです。
運送業の車庫。トラックの出入りは事業者の拠点そのもので起きるため住環境と直結しますが、関東運輸局は事業者一覧を公開していません。
騒音の実測値と苦情件数。国や自治体が公表している公害苦情の統計は自治体単位までで、町丁目別の数字はありません。
掲載しないもの
個人名・事業者名・住居表示レベルの所在地は掲載しません。集計は町丁目単位までです。
「危険な町」「治安が悪い」「安全」といった評価の言葉は使いません。数値と、その数値が何を意味するかだけを示します。
ただしランキングのように、公表値の大小を順に並べたページはあります。これは数字の並べ替えであって、当サイトが町を評価したものではありません。認知件数は届出があって初めて数えられるため、少ないことが安全を意味するとは限りません。
並べてよい指標かどうかの決め方
件数の少ない数字を順に並べると、実力ではなく偶然を並べることになります。そこで当サイトは、並べる前に必ず次の検査をしています。
2017〜2025年の9年間を奇数の年(2017・2019・2021・2023・2025)と偶数の年(2018・2020・2022・2024)の2組に分け、それぞれで同じ順位が出るかを順位相関で測ります(Spearman-Brown補正)。同じ町を同じ方法で測っているのですから、指標が実力を捉えているなら両者は一致するはずです。0.70に届かない組み合わせは、率も順位も出しません。
| 指標 | 単位 | 検査の値 | 当サイトの扱い |
|---|---|---|---|
| 住宅侵入(空き巣・忍込み・居空き) | 町丁目 | 0.40 | 率も順位も出さない |
| 住宅侵入(同上) | 町 | 0.51 | 率も順位も出さない |
| 住宅侵入(同上) | 区市町村 | 0.82 | 出せる |
| 侵入窃盗(事務所荒し・出店荒しを含む全体) | 町(20件以上) | 0.72 | 町のページとランキングで出す |
| 自転車盗 | 町丁目 | 0.88 | 出せる |
| 自転車盗 | 町丁目(駅500m以内) | 0.92 | ランキングで出す |
| 総認知件数 | 町丁目 | 0.94 | 出せる |
種目によって単位が違うのは、この検査の結果です。単位をそろえることより、それぞれの種目が耐える単位を選ぶほうを優先しました。住宅侵入は9年で中央値6件しかなく、町までまとめても足りません。逆に自転車盗は丁目のままで十分に安定し、駅に近いほど強くなります(駐輪台数が多く件数が積み上がるため)。
この検査で落ちた指標は、「その町が安全だから件数が少ない」のか「たまたま少なかっただけ」なのかを区別できません。区別できないものを順に並べると、読む人に事実でない印象を与えます。以前このサイトは町丁目の住宅侵入率で順位を出していましたが、2026年8月に取りやめました。
公的機関が公表していない情報の推測(ゴミ屋敷、騒音の実測値など)は掲載しません。
出典とライセンス
| データ | 出典 |
|---|---|
| 町丁目別の犯罪認知件数 | 警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」 |
| 人口・世帯数・面積・境界 | 総務省統計局「令和2年国勢調査 小地域集計」/CODH「国勢調査町丁・字等別境界データセット」 |
| 建設業者 | 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」 |
| 民泊(住宅宿泊事業) | 各区が公表する「住宅宿泊事業者届出一覧」 |
| 地震の地域危険度 | 東京都都市整備局「地震に関する地域危険度測定調査(第9回・令和4年公表)」 |
| 公示地価 | 国土交通省「国土数値情報 地価公示データ(L01)」 |
| 鉄道駅の位置 | 国土交通省「国土数値情報 鉄道データ(N02)」 |
| 公衆無線LANのアクセスポイント/防災行政無線の屋外スピーカー | 各区市町村が公表する設置場所一覧(東京都オープンデータカタログサイト経由・CC BY 4.0) |
| 地図タイル | OpenStreetMap contributors |
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